日向木挽唄 (宮崎県) 歌詞・解説・唄い方について
日向木挽唄 (宮崎県) について
「 歌 詞 」
1、 ヤーレー
山で子が泣く 山師の子じゃろ
ほかに泣く子が あるじゃなし
(ハーチートコ パートコ)
2、 ヤーレー
山師さんたちゃ 山から山へ
山師ゃ やもめで 子は持たぬ
(ハーチートコ パートコ)
3、 ヤーレー
大工さんより 木挽きがにくい
仲のよい木を 引きわける
(ハーチートコ パートコ)
「 解 説 」
宮崎県は広大な山林を有し、古来たくさんの木材を産出しているが、
この唄はこの木材の切り出しや、製材の時、
大きなのこぎりを手にした、木挽山師の唄である。
この木挽山師は、もっぱら肉体労働者で大のこぎりで木材を手引きするもの、
それこそ筋骨隆々の人並み優れた男達であったため、
当時はこの作業に欠かせない一級技術士であり、待遇もよく、
歌詞にもあるように村娘の憧れでもあった。
この唄の源流は、冬の農閑期を利用して九州の山々へ出掛けて行った、
広島県の木挽職人が伝えた広島木挽唄だと言われている。
今日の節廻しは、奈須稔(美静)が故郷、東臼杵郡西郷村の木挽唄に
西諸郡地方の木挽唄の囃し言葉を入れてまとめあげたものである。
「 言葉の意味 」
山師・・・鉱山の採掘者等の意味に使われる場合が多いが、ここでは木挽山師の意味。
ハーチートコ パートコ・・・鳥の鳴き声を表している。
「息継ぎ(ブレス)の場所」
例:1番歌詞 ※歌詞前の数字は小節を表している
1、ヤーレー (息継ぎ)
2、山で子が泣く(息継ぎ)
3、山師の子じゃろ(息継ぎ)
4、ほかに泣く子が(息継ぎ)
5、あるじゃなし
「 唄い方 」
1、「ヤーレ」は「ヤ」で声を大きく遠くに呼び掛ける様に唄う。
「レ」を引き付ける様に強く主張する様に唄う。
唄い出しポイントは、やまびこ「ヤッホー」というように
「ヤ」は自分からと思い、「レ」は山から聞えてくるイメージ。
2、「山で子が泣く」は語りの所ですので、声量は抑えて、
歌詞を言葉で読む様に流して唄う。
(泣「ア」く) 間に母音を入れると拍子が取りやすい。
3、「山師の子じゃろ」は母音を入れながら音程を取ると上手く唄える。
一番気をつけないといけないのが、一息で唄う事と語りの部分ですので、
唄い出しから長く唄うと「子じゃろ」ぐらいでばてます、
ブレスに余裕を持って、最後まで唄い切る事を意識しよう!
ポイントは歌詞の言葉を読むような感じで、
所々で母音を入れる事で拍子(タイミング)をつかむ。
例: ( 山「アア」師の「オオ」こじゃ「アア」ろー )
特にこの唄のポイントとなる場所ですので、
「山」は高音からはじまり、語尾「ろ」は低音で響く様に唄うと
抑揚(メリハリ)がつき、唄い出しから階段で降りる様な感じで
母音のところでリズムやテンポを取り、「ろ」まで下りる。
ここで本来母音を入れる所は、民謡独特の節(コブシ)を入れると良い。
ここでは初心者でも唄える様にしております。
4、「ほかに泣く子が」はこの唄の聞かせ所(サビ部分)です。
ポイントは「ほかに泣く子が」まで言葉で読む様に唄う事で
唄い込みにいかず、長く唄わない様にするのが大事、
その後、後半の節で力を入れ、大きく唄う!
例: ( ほかに泣く子が 「アア」「アア」↑ 「アー。」)
後半「アア」「アア」↑ 「アー」は最初「アア」声を控えめにし、
真ん中「アア」↑で高く上げ(高音)、最後「アー。」で大きく遠くへ声を送る
様なイメージで力強く最後は唄い切る!最後「アー」と唄尻が伸びたら、
パッとやめるのがポイント、だらだらと唄尻はのばさない様にして下さい。
5、「あるじゃなし」はまとめて唄う事がポイントです。
例:( ある「ウウ」じゃ「アア」な「アア」しー )
所々でハズミ音(リズム) 例えば「ウウ」などを入れておりますが、
母音ではなくリズムぐらいので感じで入れて下さい、
ポイントはリズムを取る様な感じで軽く唄い流して下さい。
唄尻の伸ばす長さは最後 お囃子「ハーチートコ パートコ」が入ると、
唄はそこでやめて下さい。
最後の唄尻はお囃子が入るとこで重なるのが目安で止めて下さい。
お囃子「ハーチートコ パートコ」は唄とよく呼吸を合わせて入れる。
「 Youtube 動画 」
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日向木挽唄 唄い方 動画
日向木挽唄 尺八 伴奏 カラオケ動画
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